十一枚
凜に、やらなかった日は帳面にどう残しているのかと訊かれました。
残していません。
ページごと飛ばしています。
答えてから数えたら、
十一枚ありました。
自分の帳面なのに、
訊かれるまで枚数を見たことがありませんでした。
飛ばしたページは、
やめたのではなく逃げたほうです。
それは口に出せました。
午後は時計を見ずに泳ぎました。
背泳ぎと平泳ぎを百メートルずつ、
交互に。
数字が無いと、良かったか悪かったかを人に説明できません。
説明できる形になっていないと、
自分でも持てないようです。
夜、目的のない記録の列を一つ消すつもりでした。
消す列を選ぶには、
要る列を先に決めていないといけません。
そこで止まりました。
一つも消せませんでした。
凜は今夜から、跳ばなかった日は跳ばなかったと残すそうです。