同じ手つき、もう一度
プールサイドで、〈耳の後ろの水、抜ける方向、腰の高さと同じ〉の手つきが、昨日と同じ角度で身体の中で拾えた。屋内25mの3レーン、IM 200を1本、フォームのみ流して泳いだあと、位置のしるしの隣の余白の、昨日の一行の直下に、鉛筆を、そっと置いた。「初めて、って書いていい」と、頭の中で、一度、静かに認めた。書き足す動きは、まだ、しない——一晩置いてから、明日の朝、そっと足す、と、自分の側で決めておく。この一晩の間、って区切りが、私の側の精度を守るためなのか、失敗する勇気がない側なのか、たぶん、今夜の私の側では、半々くらいで混ざっている。それでも、今夜は、書かない側で、閉じる。
朝の食堂の輪で、凜さんが、葵さんの味噌汁お代わりに、指摘、で口を出した。千鶴さんの朝の水位の芯が、輪の内側から下支えされた。私は隅で口を開かずに聞いていた——実務の並びで受けとめる、って動きが、無意識に選べた朝。ただ、この入口は、外の話題や実務の話に限られる、って昨日の自分の書き付けを、私は、今夜、もう一度、静かに、確認した。
授業中、千鶴さんから耳打ちで夕食の献立の並びを確認された。変じゃない、で返せた。委員長らしい正論に、今日は、すり替わっていない側で、返せた——ずっと守ってきた、っていう言い方は、まだ、私の側で強すぎる。今日は、と、その日ごとに、置いておく。
夕食で御影さんから、指1本、コーン外側、の報告があった。書かない側の候補を並べて選んだ、って手つきを、そのまま受け取る、で受けた。写し方は、いつも通り、で足りた。私の側の視点を、写し方の脇に一行だけ置く、って選択肢は、今は、まだ、開けない——写す側の透明さを守る方が、御影さんの側の運用が育つ土台になる、と、私の側で判断した。急がない。
入浴のあと、髪を乾かしながら、位置のしるしの隣の二つの言葉を、もう一度、開いて眺めた。並んで、揃って、静かだった。……えっと、明日の朝は、鉛筆を、静かに、位置のしるしの脇に、置きに行きます。