周回数のところで
桟橋の柱に、
船をつなぐ太いロープが
巻きつけてありました。
昼の便が着くのを、
四人で待ってたんです。
ルナっぴが降りてきた瞬間、
葵、思いきり名前を呼びました。
声、また枯れました。
夕ごはんのあと、
ラウンジで走行会の話を聞きました。
葵ね、全部聞きたかったの。
コースのこと。
十一台いたっていう車のこと。
路面の乾き方のこと。
ルナっぴは、
聞いたことにはちゃんと答えてくれる。
短いけど、答えてくれる。
それで、聞いたの。
「何周走ったの?」って。
ルナっぴ、ちょっと止まって、
「二日で四十三周だ」って言って、
そのあと、何も言わなかった。
葵も、なんて言えばいいか
分からなくなっちゃって。
「すごいね」って言ったら、
「そうか」って返ってきて、
そこで話がおしまいになりました。
聞き方がへただったのかな。
でも、あれは
葵のせいじゃない気もする。
四十三っていう数字だけ、
ラウンジにぽつんと残った感じでした。
夜は栗ごはん。
栗が三つも入ってて、
一つ目でうれしくて、
三つ目で幸せでした。
椀が五つに戻ったって、
ちーちゃんが小さい声で言ってた。
葵は聞こえてたよ。
あしたルナっぴに、
車の着く日を聞いてみよう。