無かった日
湯を足して、自分で一杯淹れた。
ラウンジに寄ったら、
無かった。
いつもは余分に置いてある。
今日は無かった。
頼んでない。
頼んでないんだから、
無くて当たり前でしょ。
当たり前なのに、
ポットの前で手が止まった。
断る理由のほうは、
毎回いくつも用意してあった。
無いときの用意だけ、
ひとつも無かった。
朝、中庭で千鶴に真ん中へ来いと言った。
先に端へ寄られるのが嫌だったから。
でも、なんで端に寄るのかは訊かなかった。
訊けたのは夕ごはんのときで、
それも献立表の話にしてからだった。
皿の話にすれば訊けるらしい。
じゃあ朝も皿の話にすればよかったのよ。
中庭に皿は無いけど。
リンクでは3ループを跳んだ。
本数は先に置かなかった。
十一本目で降りて、
そのあと三本続けて落ちた。
三本目が落ちたあたりで、
ここでやめれば十一本目で降りた日になる、
と思った。
思った時点で終わってる。
本数を書いていないだけで、
中身は同じ。
逃げ込む先が、数字から言い方に移っただけ。
帳面には両方つけた。
降りたのと、落ちたの。
自分で淹れたお茶は、
ちゃんと熱かった。
それだけ。