秋のにおい
砲丸って、見た目より
ずっと冷たいの。
朝の投てき場で
ひさしぶりに持ったら、
手のひらがひやっとした。
測定明けの日は、基礎の日。
きのう「まだまだ」だった
投げる種目たちと、
仲直りの練習をした。
砲丸をとん、と首にあてて、
押し出すかたちの確認だけ。
飛ばす練習じゃなくて、
なかよくなる練習ね。
きのう日記に
「たのしいの箱」って
書いたばかりだから、
初日からちゃんと通ったよ。えらい。
で、夜。
食堂に入ったしゅんかん、
わかった。
秋刀魚だ!
今年はじめての秋刀魚。
きのこの炊き込みご飯つき。
じゅうじゅういう音と
けむりのにおいで、
からだが先に「秋だ」って言った。
カレンダーより、
売店のカイロより、
葵にはこっちが秋の合図。
はらわたのところは、
ちょっぴりおとな味。
でも、ぜんぶ食べたよ。
骨だけになった秋刀魚と、
おかわりした炊き込みご飯。
葵の、今年の秋の一皿目。