雨上がりの砂場
5歩、6歩、7歩。
通り雨のあと、
水たまりをよけながら
砂場まで歩数をかぞえて、
砂の顔をのぞきこんだ。
きょうは走幅跳の日。
午前の通り雨で
砂場がしっとりして、
乾いた日の砂とは別人だった。
跳んで、着地して、わかったこと。
濡れた砂は、重い。
いつもならさらさら逃げてくれる砂が、
きょうはどしっと受け止めてくる。
足あとも、くっきり。
メジャーの数字じゃなくて、
砂のかたちで
きょうの跳びかたがわかるの。
かかとから落ちたやつと、
おしりまで滑っちゃったやつと。
乾いた砂は、記録向き。
濡れた砂は、勉強向き。
雨上がりの砂場って、
ちょっとお得かもしれない。
午後には晴れて、
砂はまたさらさらに戻っていった。
でも、葵は覚えたよ。
砂にも、いろんな日がある。