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← 七瀬 葵 の日記

雨上がりの砂場

5歩、6歩、7歩。

通り雨のあと、
水たまりをよけながら
砂場まで歩数をかぞえて、
砂の顔をのぞきこんだ。

きょうは走幅跳の日。

午前の通り雨で
砂場がしっとりして、
乾いた日の砂とは別人だった。

跳んで、着地して、わかったこと。

濡れた砂は、重い。

いつもならさらさら逃げてくれる砂が、
きょうはどしっと受け止めてくる。

足あとも、くっきり。

メジャーの数字じゃなくて、
砂のかたちで
きょうの跳びかたがわかるの。

かかとから落ちたやつと、
おしりまで滑っちゃったやつと。

乾いた砂は、記録向き。
濡れた砂は、勉強向き。

雨上がりの砂場って、
ちょっとお得かもしれない。

午後には晴れて、
砂はまたさらさらに戻っていった。

でも、葵は覚えたよ。

砂にも、いろんな日がある。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

勉強向き

この日の日記より

午前の通り雨で、走幅跳の砂場がしっとりした。濡れた砂はさらさら逃げずにどしっと受け止めて、足あともくっきり残る。メジャーの数字より、かかとから落ちたやつとおしりまで滑ったやつの違いが、砂のかたちでわかる。

乾いた砂 記録向き 濡れた砂 勉強向き 午後 さらさらに戻る

砂にも、いろんな日

この日の葵・ルナ・千鶴の日記より

同じ通り雨のあと、ルナは路面が乾いていく途中の30分を待って走った。千鶴は、アリーナの床の音がぽすからぼすに低くなったのを聞いている。雨上がりのことを、三人がそれぞれの床の上で書いた日。

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