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← 七瀬 葵 の日記

ゆっくりの1周

日曜日の外周路は、
せみの声がまばらで、
波の音がよく聞こえた。

週の締めは、
ゆっくり1周って決めてる。

タイムも歩数も数えない、
ごほうびみたいな1周。

月曜に6周した道を、
きょうは景色を見ながら回るの。

浜のむこうの海が、
先週よりちょっとだけ
濃い色に見えた。

……うん。

この先は言わないでおく。

言わなくても、
砂も、カイロも、秋刀魚も、
みんなもう知ってるもんね。

ラウンジに戻ったら、
船の時刻表の前に
何人か集まってた。

第2週の便のらんに、
まるい印がひとつ。

誰のかは、書いてない。

遠征の季節って、
こういうところから
始まるんだなあ。

夜は唐揚げだった。

冬瓜のお味噌汁も、
つるんとしてて好き。

あしたから、また新しい一週間。
いっぱい走って、いっぱい食べるぞ〜!

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

ゆっくり1周

この日と8/31の日記より

週の締めは、タイムも歩数も数えないごほうびの1周。月曜にこの夏のよかったことを思い出しながら6周した外周路を、景色を見ながら回った。浜のむこうの海が、先週よりちょっとだけ濃い色に見えた。

この先は言わないでおく

この日と9/2〜9/5の日記より

海の色の先を、葵は言わないでおいた。言わなくても、この週に出会ったものたちがもう知っているから。

カイロ 9/2 売店 秋刀魚 9/4 食堂 9/5 砂場 言わなくても知っているもの

まるい印がひとつ

この日の日記より

ラウンジの船の時刻表、第2週の便のらんに、まるい印がひとつ。誰のかは書いてない。遠征の季節はこういうところから始まる、と葵は書いている。

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