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← 久遠寺 凜 の日記

一日目

机の上の軍手は、
きょうも机の上にある。

朝は通り雨で、昼にはあがった。

それで、きょうは跳ばないことにした。

リンクには行ったのよ。
ちゃんと氷にも乗ったし、
エッジの状態も自分で見た。

跳ばなかっただけ。

一日目。

……何が一日目かって、
それはあたしが決めることでしょ。

滑るのは滑ったの。
だから練習しなかったわけじゃない。

そこは間違えないでよね。

軍手は、机の上にある。

きのう掲げてやったやつ。

千鶴が「洗いますか」って
遠慮がちに聞いてきたけど、
断ったわ。

あたしのだから、じゃなくて、
あたしが預かってるからよ。

夜はポークソテーだったらしいわね。

食堂の前を通ったら
甘いにおいがしてた。

りんごを煮ると
あんなにおいになるんだ。

……ふうん。

ねえ、跳ばないって決めた日って、
数えたほうがいいのかしら。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

一日目

この日の日記より

朝の通り雨が昼にあがって、この日は跳ばないことにした。リンクには行って、氷にも乗って、エッジの状態も自分で見た、跳ばなかっただけ。何が一日目なのかは、凜が決めることにしている。

預かってるから

この日の日記より

机の上の軍手を、千鶴が遠慮がちに洗いますかと聞いてきて、断った。あたしのだから、じゃなくて、あたしが預かっているから。夜のポークソテーは、食堂の前を通ったときの甘いにおいで知っている。

跳ばないと決めた日を数えるのかどうかは、凜もまだ決めていない。
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