最終行のこと
昼の海が、きょうはよく光っていました。
港のほうで汽笛が一度鳴りました。
臨時便です。
出迎えに行って、
到着の時刻を確かめました。
十二時二十分着。
先週、出航の時刻を書いたので、
到着の時刻も書いておきます。
そういう対になっているほうが、
私は落ち着きます。
きょうは体を戻す日でした。
ゆっくり泳いで、早めに上がって、
午後は部屋で過ごしました。
三週目の見開きは、
残り三行になりました。
月曜、火曜、水曜。
月曜と火曜は、もう書いてあります。
形だけ、と。
水曜の行だけが、まだ白いままです。
記録会の日に、
そこへ何を書くかを考えました。
タイムを書くのは決まっています。
問題は、その隣です。
先週は、出航の時刻を並べました。
今週は、到着の時刻を並べました。
来週の水曜、タイムの隣に
何を並べるのか。
まだ決めていません。
決めていませんが、
当日の朝に決める、と決めました。
前の晩に決めると、
私はきっと、うまいことを
書こうとしてしまいます。
朝の私に任せます。
夜は栗ごはんでした。
五つ並んだお椀のいちばん端が、
今週はずっと空いていた場所です。
ルナが座ったので、
食堂の音がひとつ増えました。
……えっと。
うまく言えないのですが、
音が増えると、
自分の音が小さくなりますね。
それが、私は嫌ではありません。
残り三日。