2分21秒0
200mの通しを、一本。
2分21秒0でした。
先週より、遅い数字です。
壁のタッチのあと、
時計を見て、それから
プールサイドに手をついて、
しばらくそのままでいました。
息が整うのを待っていました。
……いいえ。
たぶん、待っていたのは
悔しさのほうです。
来ませんでした。
来ないことに、驚きました。
いつもなら、遅い数字を見た日は
夕方まで引きずります。
きょうは、そうなりませんでした。
わけは分かっています。
木曜に落としたからです。
落とせば、いったん遅くなる。
それは、私がノートに書いたことです。
つまり、きょうの2分21秒0は、
私の予定どおりの数字です。
遅いことが、
はじめて自分の予定の中にありました。
父のメニューでこの数字が出たら、
私は自分を責めていたはずです。
責めるところが、きょうは無い。
無いというのは、
こんなに静かなことなんですね。
金曜の余白の四文字は、
結局そのままにしてあります。
書き足しませんでした。
夕食はミートソースでした。
麺にからんだ挽き肉を
最後まで残さず集めてから、
ノートを開きました。
残り四日。
あしたは、体を戻す日にします。