鉛筆の線
しゃら、しゃら、と
水の音がよく聞こえる日でした。
記録会の前日の練習は、
500mを、ゆっくり一本だけ。
急がない日は、
水の音が近いんですね。
朝の脈は50。整っています。
夜、机で逆算表を開きました。
いちばん下の、
空けてある行の上に、
鉛筆で薄く線を引きました。
書く場所を、作っただけです。
明日の朝、ここに一言だけ書いて、
それからプールに行きます。
書く言葉は、
とっくに決まっています。
線を引き終わったら、
することがなくなってしまって、
しばらく表を眺めていました。
この表と、ひと月付き合ってきて、
明日で終わりなんだと思うと、
少し不思議な気持ちです。
夕食は鮭の塩焼きに、
とろろご飯でした。
揚げ物のない、やさしい並び。
食堂の方は、明日が何の日か
ちゃんと知っているんだな、
と思いながら、
お椀の底まで、きれいに空にしました。