三十六
提出用紙。
測定のあとに書く、一枚の紙です。
十四時、アリーナ。
サーブ五十本のうち、ゾーンを指定して入った本数。
三十六本でした。
先月は、三十四本。
助走をつけての最高到達点は、二メートル九十七。
先月と同じです。
用紙の欄に、「36」と書きました。
書いてから、ペンが止まりました。
この三十六本のうち、
自分のために打った一本は、どれだったのでしょう。
家のことを思って打った一本。
妹たちに見せたくて打った一本。
ただ、打ちたくて打った一本。
数えかけて、やめました。
用紙には、どの一本かを書く欄はありません。
晩ごはんは、ポークカレーでした。
葵ちゃんが走幅跳の記録を言って、
みんなで、おめでとうを言いました。
凜ちゃんのリンクのスズメは、いなくなっていたそうです。
祖母の納屋のツバメも、いつのまにか