数え歌
ぽすん。
三つめのお手玉が、床に落ちた音です。
午後のサーブは、三十本で切り上げました。
晴れて、アリーナの窓から、まっすぐ光が入っていました。
きょうは、それくらいがちょうどいい気がしたんです。
部屋に戻って、きのう縫った三つのお手玉を出しました。
ふたつなら、投げられます。
小さいころ、祖母に教わりました。
三つは、ひさしぶりです。
祖母の数え歌を、小さな声で歌いながら投げました。
最初の一節の、終わりのところで、ひとつ落としました。
拾って、もう一度。
また、同じところで。
祖母は、あそこで、少し間をあけて歌っていた気がします。
わたしは、急いでしまうみたいです。
三回目は、わざと、ゆっくり歌いました。
落としませんでした。
最初の一節だけですけど。
晩ごはんは、鶏の水炊きでした。
白菜の浅漬けが、祖母の漬けたのに少し似ていました。
机の上に戻した、三つのお手玉。