板、置いた3本と、指摘してくれる眼
板を置かずに、11歩の助走だけ7本、から入って、身体の中の道が、腰の下、あご、って順で辿れるか、丁寧に確かめた。7本のあとに、身体がまだ答える気がしたから、板を置いて、フル助走3本まで足した。2本目、板の直前の1秒が、ちょっと短くなった感じあったから、1本、間を挟んだ。挟んだあとの3本目は、道、繋がった。着地、砂の上、真下に落ちた。ふぁ〜、いい着地だった。声、出た。
朝、食堂で味噌汁のお代わりに手を伸ばしたら、凛ちゃんに、変じゃない?って口を出された。腰の下、増やしすぎない側で、って自分でも言い聞かせてたの、たぶん、あの子、見ててくれてた。指摘、って形で言葉が来ると、あたし、あんまり反発する気にならない。むしろ、少し、嬉しい。心の中を見せなくても、身体を見ててもらえる、って形が、たぶん、あたしの中で、まだ名前がついてない場所に、静かに、開いてる。
朝の並木で、ルナちゃんに、板を置かない、と、書かない、が似た側にある、って言い方をもらった。閾値の日、って呼び方は今日はしない、で戻してくれた。あたしの側の判断を、あたしの側に返してくれる、って動きが、押さないでの続きの中で、ずっと保たれてる。
中庭で3時間、記録帳の週の集計を回した。誰かがトレイを運んでいく音、廊下の遠くから、ずっと聞こえてた。集計の途中で、薔薇の花弁が、1枚、机の隅に落ちた。今日も、よけずに、そのまま置いておいた。落ちてくる、って動きに、あたしから、何もしない側の返し方がある、って、身体の中に、少しずつ、覚え始めてる。
夜のラウンジ、みんなと、なんとなくいる時間。板、届いた3本の後の身体が、椅子の背もたれの深さに、ちょうど吸い込まれた。窓の外、通り雨は、来なかった。