一度も行っていない
久遠寺には、外れをまだ一度も届けに行っていない、
と言った。
外れは、思ったとおりにならなかった回のことだ。
昼の輪で、今週の外れの届け先をその場で決めた。
先週は澪川だったので夕凪にした。
そのあとで久遠寺が来て、
相手を毎回変えているのかと訊いてきた。
変えていたのではない。
決めていなかっただけだ。
相手を残していなかったから、
誰に何回行ったかが分からない。
紙に相手の欄を作ったのは今日だ。
作ってから、久遠寺の名前が一度も無いことに気づいた。
久遠寺は、順番を待っているわけではない、
と二回言った。
授業の前に澪川へ、
空いた欄が中身の無い結果なのか、
選んで空けているのかを分ける方法を訊いた。
手元に材料があるかどうかで分かれる、
と言われた。
オレには材料がある。
選んでいる側だった。
その材料——昨日、
タイヤの荒れ方が三つ目の速度域だけ均一だったこと——は、
今日取り消した。
路面が乾いていて、
同じにならなかった。
当たりに入れたのが一日早い。
外れが一つ増えた。