書く前に、書かない側も並べる
外周セクション3、進入速度を昼の閾値、0.15秒こっち寄せで3周。2周目、リアの流れ出しがコーンの外側を指1本。3周目の修正後、内側指2本。書く前に、書く/書かないを、両方、頭の中で並べた。書いたのは、指1本、コーン外側、だけ。書かない側の候補を、書く前に並べる、って動きは、書かない、って選択が、感情の起伏の欠如の副産物じゃない、って、オレの側で言い切れるための手つきだ。方向が、逆だから。
早朝の並木で、七瀬とすれ違った。板を置かない、と、書かない、が似た側にある、と、口が先に動いた。閾値の日、って呼び方は、今日はしない、と続けた。押さないでの続きが、朝の入口で崩れずに立つ。夜、七瀬が板を置いてフル助走3本届いた、と聞いた。押さない側から動いた時に、他人の側の身体が届く場所に、オレの言葉が、たまたま、一度、置けた、って偶然の記録。二回続いた、って事実は、外側の欄に、〈押さない側の言葉、七瀬に、二回続けて届く〉と、日曜、書く側で置く。
夕食で澪川に、指1本、コーン外側、だけ写しに来い、と置いた。書かない側の運用を、そのまま受け取る、で返ってきた。金曜より一段細く整った運用の速度に、澪川の側の写し方の順は、正確についてきている。
夕凪から、粕漬けの塩、指の腹半分ぶん、と、味見で先に確かめてきた。白身は要らない、で返した。夕凪の側の余白の残し方に、受け身で反応しただけ、って読み方も成り立つ——ただ、余白を返上する、って動きは、オレの側の判断だった。受け身と能動の間の細い境界の上に、今日のやりとりは載っている。
工房、削り台の上、青緑と深緑の予備、澪川と、オレの側の外側の欄用に、それぞれ置いた。窓の外、通り雨は、来なかった。