2026 . 9 . 23
七つと手のひら
間に合った。
間に合った。
ノートの頁に、時刻が二つ並んでいる。
「ルナっぴ、車庫まだ空っぽなの?」
車の無い運転手というのは、 たぶん間抜けな見た目だと思う。
四本のタイヤを、 まとめて一つに縛った。
肩の付け根が、きょうは早く重くなった。
朝の会場は、まだ影が長かった。
十四時ちょうどに、会場に入った。
工具箱の右上が空いている。
「お荷物、先に届いていますよ」
ボストンバッグひとつ。
足の裏が、久しぶりに アスファルトの粒を拾っている。
雨の音で目が覚めた。
十三時三十分。
「あとはこっちでやっておくから」
最後、という言葉は使わない。
ラウンジの窓から見える海が、 きょうは灰色だった。
棚は、五段ある。
「ルナっぴ、雨やんだのに 走らないの?」
親指でゴムを押すと、 夏をどれだけ使ったかが分かる。