入る場所
三つ目の進入位置で、
いつもより半段ぶん奥に入った。
速度は昨日と同じにした。
変えたのは進入の位置だけ。
三つに分けて、一番外から入った回だけ、
いつもより奥まで入った。
速度計の針は同じところにある。
速度計に出ないと言っていたものは、
速度ではなかった。
入る場所のほうだ。
出ない、ではなく、
見る場所を一つしか用意していなかった。
昼に澪川へ、一つに絞るのは決めるのを増やす作業じゃない、
残りを決めないままにする作業だと言った。
先の先まで決めておく癖とは逆を向く、
とも。
澪川は、今日だけやる、
明日から戻す、と答えた。
今日は父からの封筒が来なかった。
読むものが無い日は、
こうなる。
記録用紙の四つ目は、
今日も空けたままにしてある。