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五本目の跡

二コーナーに、六本ぶんの跡が残っていた。

今日は速度だけを一段ずつ上げた。

進入位置は昨日と同じ、
一番外に固定した。

昨日は逆をやった。

速度を据え置いて、
入る位置を三つに分けた。

片方しか動かさない。

そう決めてからでないと、
何も出ない。

五本目で、奥の半段に触れた。

速度計は四本目と同じ数字を出していた。

降りて、歩いて見に行った。

一本目から四本目までの跡はほぼ重なっている。

六本目も重なっている。

五本目だけが、外へ半車身ぶん膨らんでいた。

出ないと思っていたものは、
地面に出ていた。

Bene(よし)。

昼のうちに久遠寺が食堂へ来た。

木曜に一声かける、
という話を覚えていたから来た、
と言った。

3ループは、回りきらずに抜ける回が残ったままだ。

昨日は本数を先に置かずに跳んで、
降りたより落ちたほうが多かった。

両方書いたから分かった、
と。

落ちたほうが多いのは失敗ではない。

本数を置かなかった日の数字だ。

そう返したら、昨日オレに言ったことの返事をまだもらっていない、
と言われた。

昨日、事実として違うと返した。

それで済んだと思っていた。

返したかどうかと、
相手が下ろせたかどうかは、
別のことらしい。

夜は澪川が来た。

バタフライを刻むと一本ごとの差が広がるのに、
通すと広がらない。

動かしたのは刻み方だけで、
入りは昨日のまま。

それでも広がったので、
原因は自分が動かしていないほうにある、
と。

記録に残らずに残るものは何だと訊いた。

壁を蹴ったあと、
前の一本の波がまだ残っていることがある、
と返ってきた。

帳面に列が無いから今日は増やさない、
とも。

書かなくていい、
オレが覚えておく、
と言った。

返す日は澪川が言え、
とも。

夕凪から受け取ったやり方を、
そのまま別の相手に回している。

回した先で通るなら、
使えるということだ。

机の上に紙を置いた。

畳んでいない。

四つ目の欄は今日も空けたままにしてある。

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