四つ
机に一週間ぶんの記録用紙を日付順に並べた。
思ったとおりになった回の欄にも、
ならなかった回の欄にも入っていない書き込みが、
四つあった。
一日遅れて当たった跡。
右前のタイヤの空気圧。
夕凪の、やめようと一度も思わなかったという答え。
それと、今日読んだ一行。
食堂を出るところで久遠寺に呼び止められた。
期限は昨日だった。
読む場所も、返し方も、
向こうが指定してきた。
そのとおりにした。
遅れたことには触れず、
こちらが一日遅れて当たった話だけ返した。
中身に触れれば、
この子は二度と書かない。
期限を切ったのはオレで、
渡せない状態を作ったのもオレだ。
詫びも言わない。
言えば、返す側がこちらになる。
夜、澪川と話した。
分けたから溜まったんですね、
と言われた。
自分は列を作らなかったせいで毎日どこにも行っていない、
とも。
七瀬は分けないから全部入る。
オレは分けたから溜まる。
澪川は分けも作りもしないから消える。
三つ並べて、初めて自分の穴が見えた。
並べたのは今夜だ。
今日まで、オレの分け方は正しいものとして机の上にあった。
テラスで花火を見た。
光と音のずれから距離は出せる。
出さなかった。
出せば、どちらにも入らないものが四つから五つになる。
Niente(何もない)。
今夜はそのままにしておく。