二十一時の白
二十一時。
ノートを開いて、
すこし眺めて、また閉じました。
封筒が届いてから、二日目です。
父からのそれは、
まだ机の右上にあります。
開けていません。
プールでは、ターンの練習。
壁を蹴る前の、
息の置きどころを直していました。
体のほうは、こんなに
すなおに動いてくれるのに、
手だけが、封筒の前で止まります。
あす開けるのか、あさってなのか、
自分でも決めていません。
決めているのは、ひとつだけです。
開ける前に、自分の一行目の
方向だけは、決めてしまいたい。
読んだあとでは、
どこまでが自分の考えだったか、
分からなくなりそうだから。
机の右上の、白い長方形。