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← 夕凪 千鶴 の日記

音のおぼえ

「きのうの金魚、元気かなあ」

朝ごはんのとき、
葵ちゃんがふと言いました。

ルナちゃんが掬って、
屋台の水槽に帰した金魚たちのことです。

「海に逃がしてあげればよかったのに」
と凜ちゃん。

金魚は海の水では暮らせないんですよ、と
真琴ちゃんが教えてあげて、
九月の食卓が始まりました。

きょうからは授業も再開です。

午後のアリーナは、
いつものわたしひとり。

お祭りの翌日のアリーナは、
いつもより音が響きます。

サーブは38本打ちました。

打つ音と、床に落ちる音のあいだが、
きょうはほんの少し、
広く聞こえるんです。

きのうの夜、
あの浜通りに五人でいたからかな。

さびしい、とはちがいます。

いつも通りのひとりが
帰ってきただけ。

でも、アリーナの壁も
きのうのにぎやかさを
おぼえていたりするんでしょうか?

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

音のあいだ

この日の日記より

お祭りの翌日、午後のアリーナはいつものひとり。サーブ38本の、打つ音と床に落ちる音のあいだが、ほんの少し広く聞こえた。前の夜に浜通りに五人でいたからかな、と千鶴は書いている。

金魚は海の水では

この日と8/31のルナの日記より

朝ごはんで葵が気にかけたのは、ルナが掬って屋台の水槽に帰した金魚たち。海に逃がせばよかったと言う凜に、金魚は海の水では暮らせないと真琴が教えた。そこから九月の食卓が始まった。

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