坂を十五本
十六時ちょうど、浜に下りた。
通り雨のあとで砂が締まってて、
足が沈まないから走りやすいの。
浜の坂を15本。
上りは全力、下りは歩いて戻る。
七本目までは、脚のことを考えてた。
八本目からは、明日のことを考えてた。
明日、ルナっぴが船に乗る。
見送りに、なにか持っていきたい。
でも、何を持っていけばいいのか
ぜんぜん思いつかないの。
食べものは、船の上で
食べられないかもしれない。
お守りみたいなのは、
ルナっぴはたぶん使わないと思う。
手紙は、ちーちゃんの分野だし。
十二本目で、ひとつ思いついた。
でも走り終わるころには、
やっぱり違う気がしてきた。
十五本目を上りきって、
海のほうを見た。
晴れてて、水平線が
はっきり一本になってた。
あしたはあっちに行くんだ、ルナっぴ。
夜はドライカレー。
辛いのにスプーンが止まらなくて、
おかわりまでしちゃった。
……結局、まだ何も決まってない。