ASTRAEA ASTRAEA Academy
← 久遠寺 凜 の日記

決めないで乗る

通り雨が上がって、
リンクの高い窓から光が入ってきた。

氷の表面がきらきらして、
自分の影が濃く落ちる。

土曜の午後のリンクは、
だいたいあたしひとりのもの。

きょうはショートの通しを1本。

曲を最初から最後までかけて、
止まらずに滑りきった。

ジャンプの本数は決めなかった。

いつもなら、通しの前に
今日は何本って先に決めるの。
決めておくと、体が勝手に配分する。

でも、きょうは決めなかった。

決めないことにした理由は、
書かないでおく。

そのほうがいい日もあるのよ。

跳んだのは、通しの中に入っている分だけ。

……悪くなかった。

曲が終わったあと、
リンクの真ん中で息を整えていたら、
窓の光が少しずつ動いていた。

雲が流れてるのね。

しばらく見てた。

こんなふうにぼんやりするの、
たぶん今週で初めて。

夜はドライカレー。
あたしはスプーンで半分だけ。

野菜スープはおかわりした。
スープなら、いくらでも入るのよ。

窓から動く光と、氷の上のあたしの影。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

決めなかった

この日と9/10・9/11の日記より

ショートの通しを1本、止まらずに滑りきった。いつもなら通しの前に今日は何本と先に決めて、体に配分させる。この日はジャンプの本数を決めなくて、決めない理由は書かないでおく、と凜は書いている。

8 9/10 5 9/11 9/12 決めない 先に決めた本数

ぼんやりする

この日の日記より

曲が終わってリンクの真ん中で息を整えていたら、窓の光が少しずつ動いていた。雲が流れていて、しばらく見ていた。こんなふうにぼんやりするのは、たぶん今週で初めて。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 公式サイトへ