引き算ができた
「掲示、出てましたよ」
朝、葵が食堂で教えてくれました。
走っていって、確かめました。
秋の合同記録会は、来週の水曜。
十三時開始です。
七日あります。
部屋に戻って、ノートを開いて、
空けておいた行に書きました。
残り七日
それだけのことなのに、
書いた瞬間に、見え方が変わりました。
きのうまで、私は
一日ずつ前に足していました。
きょうからは、
最後の日から引いてきます。
七日ぶんの割り振りを作りました。
木曜、落とす。
金曜、短く。
土曜、通し一本。
日曜、体を戻す。
月曜と火曜、形だけ。
水曜、本番。
木曜のところに、
「落とす」と書きました。
きのう二回消した言葉です。
きょうは消しませんでした。
……この一行は、
父のメニューにはありません。
休みの日は組んであります。
でも「落とす日」ではないのです。
休むのと、落とすのは、
たぶん少しちがいます。
どう違うのかは、
木曜になれば分かります。
引き算は、得意なほうです。
……いえ、それはいま関係ありません。