暗いうちに
3個。
今夜のひとりぶんの、
お団子の数よ。
十五夜だから十五個で、
五人で割って三つずつ。
千鶴が暗がりで
真剣に配ってた。
そう、暗がり。
テラスの電球が切れてて、
今夜の明かりは月だけだったの。
……で。
あたしは、例のあれを
済ませてきました。
畳んだ軍手を、
ルナの団子の皿の横に置いて、
「洗い終わったから、返すだけよ」
って言った。それだけ。
ルナは何も言わずに
その場で両手にはめて、
軍手ごしにお団子をつまんでた。
お礼なんて、要らないわよ。
返しただけなんだから。
なんで月見の席にしたかって?
暗かったからよ。
明るいところで渡すのは、
なんていうか……
顔が全部見えるでしょ。
そういうこと。察しなさい。
四日も机に置いてたことは、
月と、この日記だけが知ってればいい。
返すものは返した。
今夜の月は、いい月よ。