それだけの朝
朝の7時。
目が覚めて、いつものくせで
机の上をちらっと見た。
……なにも無いのよね。
四日間そこにいた軍手は、
ゆうべ返したから。
それだけの朝。
べつに、さみしいとかじゃ
ないから。
机が広くなって、
清々してるくらいよ。
で、午後のリンク。
三回転ループを5本跳んで、
降りたのは4本。
1本はステップアウト。
手は、つかなかった。
記録会が終わった週末でも、
ちゃんと跳べるじゃない、あたし。
……白状すると、
ステップアウトした1本、
踏み切りの直前に
今朝の机のことが
頭をかすめたのよ。
氷の上で別のこと考えるなんて、
あたしらしくもない。
だから最後の1本は、
氷のことだけ考えて跳んだ。
いちばんきれいに降りたのが
その1本だったのは、
まあ、そういうことなんでしょ。
ねえ、机の上って、
何か置いてないと
落ち着かないものなのかしら?