三枚目
「どうして、そこで止まるんですか」
ラウンジのプリンターに、
今夜、私は三回そう言いました。
あしたは前期の最終日です。
夜、ラウンジで
前期の振り返り会をすることにして、
次第を作りました。
一人五分。
競技の半年を、順番に。
閉会は二十一時。
五人ぶん刷るだけなのに、
一枚目が途中で紙を噛み、
二枚目は斜めに吸いこまれ、
三枚目は、出てくる寸前で止まりました。
蓋のどこを開ければいいのかも、
私には分かりません。
そこへ、ルナが通りかかりました。
何も言わずに横の蓋を開けて、
くしゃくしゃの紙を一枚抜いて、
蓋を閉めて、
そのまま出ていきました。
十秒もかからなかったと思います。
「あ、あの……っ」
と言いかけたときには、
もう廊下の角の向こうでした。
そのあとの五枚は、
一度も止まらずに出てきました。
刷り上がった次第を見た凜から、
順番について修正の要望がありましたが、
却下しました。
五十音順です。
屋内プールの50m×20本は、
夕方のうちに済ませてあります。
あしたは、次第どおりに進めます。