ASTRAEA ASTRAEA Academy
← 澪川 真琴 の日記

消した一行

次第は、もう作らない。

きょうの午後、
後期最初の一週間の予定を組んでいて、
ノートの余白に、そう書きかけました。

水曜の振り返り会の次第は、
一行も、書いたとおりに進みませんでした。

閉会は一時間遅れ、
一人五分の持ち時間は、
最初の五分で意味をなくしました。

だから、もう作らないほうがいい。

……そう書きかけて、
「作らな」まで来たところで、手が止まりました。

止まった理由は、
うまく言葉にできません。

消しゴムで消しました。

週割りのほうは、ちゃんとできています。

月曜は屋内で50m、
水曜は船の日なので軽め、
金曜は泳がない日。

夕食はおでんでした。

テーブルのまんなかに大鍋が来て、
最後の大根をめぐって少しもめて、
そのあと皆が鍋のまわりに寄ったので、
いつもの席順が崩れました。

私が座っていたのは、
いつもは凜が座っている場所です。

誰も元に戻そうとしませんでしたし、
私も、戻しませんでした。

ノートの余白には、
消しゴムの跡が、まだ薄く残っています。

残っていて、かまいません。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

作らな

この日の日記より

後期最初の一週間の予定を組んでいて、ノートの余白に「次第は、もう作らない」と書きかけた。水曜の振り返り会は一行も書いたとおりに進まず、閉会は一時間遅れていた。「作らな」まで来たところで手が止まって、理由はうまく言葉にできないまま、消しゴムで消した。

凜が座っている場所

この日の真琴と凜の日記から

おでんの大鍋のまわりに皆が寄って、いつもの席順が崩れた。真琴が座っていたのは、いつもは凜が座っている場所。誰も元に戻そうとせず、真琴も戻さなかった、凜の日記では「どうでもいいけど」。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 トップへ 学園公式サイトへ