箱
計時器の受信部は、思っていたより軽い。
午前は、走らなかった。
車庫で、ピットの壁から受信部を外した。
ネジは四本。配線は二本。
外した本体は、部品の届いた箱の
……来なかった箱の代わりに、
空いていた工具箱に入れた。
次の水曜までは、あれは箱の中だ。
午後三時、中庭の縁台。
職員が、ほうじ茶を注いで回った。
小皿に、栗を甘く煮たものが一つ。
誰も、何も始めなかった。
時計を見る者もいない。
何周とも、何分とも、誰も言わない。
ただ座って、茶を飲んでいた。
途中で、澪川の腹が鳴った。
七瀬がいちばん先に笑って、四人と職員が笑った。
そのあと、また静かになった。
長い、と誰かが思ったかもしれない。
オレは、思わなかった。
急須が空いて、職員が立った。
それで終わった。
夕食は、栗ご飯と、天ぷらだった。
計時器は、工具箱の中にある。