予定表の一行
「ハロウィンって、なにするんですか?」
夜ごはんのお盆を受けとるとき、
食堂の職員さんに聞いてみた。
「ラウンジをちょっと飾って、
おやつに、かぼちゃを出しますよ」
……それだけ?
見つけたのは、けさ。
食堂の前の掲示板に、後期の予定表が貼ってある。
十一月の発表会のとこを見にいったら、
そのちょっと上に、書いてあったの。
十月のいちばん最後の日。ハロウィン。
知ってる!
おばけのかっこうでドアをたたくと、
お菓子がもらえる日!
午後は、走高跳を12本。
葵は陸上の十種競技をやってて、
きょうは高さを測らない日だった。
背中からマットに落ちるたびに、
空が、曇りから晴れに変わっていった。
でも頭のなかは、ずっとお菓子。
で、肉じゃがを食べながら、言ったの。
「じゃあさ、葵たちでやっちゃおうよ!」
葵がやりたいのは、ひとつだけ。
寄宿舎のみんなの部屋を順番にまわって、
お菓子をもらうの。
リンリンは、仮装なら世界一って、すぐ胸を張った。
まこるんは、やったことないから調べます、だって。
ちーちゃんは、かぼちゃは冬至に……って言いかけて、
声がちっちゃくなって、消えちゃった。
ルナっぴは「どうでもいい」。
でもね、ルナっぴ、
話がおわるまで、ずっと座ってたよ。
あれ?
五人とも、ちがうことを言ってる。
肉じゃがは、おいもがほくほく。うまっ!
部屋で、「競技以外」の表を出した。
走ることのほかに好きなものを、書いていく表。
一行目は「食べる」。
二行目は、きょうも白いまま。
「お菓子」って書いたら、
それ、一行目とおんなじだよね。えへへ。
ねえ、ドアをたたいたら、
ほんとにお菓子って、出てくるのかな?