縁台
夕方の五時半。
砲丸の練習を終えて、
中庭を通りかかったら、縁台が並んでた。
銀杏の木の下に、木の長い腰かけが、
四角くかこむみたいに。
きのうまでは、なかったのに。
砲丸は、きょう12投。
距離は測らない日だった。
重たい玉を首にくっつけて、
ぐって押し出すやつ。
葵には、ちょっと苦手なやつ。
腕がまだじーんとしてたのに、
縁台を見たとたん、ぜんぶ忘れちゃった。
ふぁっ、ってなって、
そのまま、みんなを呼びに走った。
まこるんは、部屋のドアをたたいて。
リンリンは、リンクから戻ってくるとこをつかまえて。
ルナっぴは、サーキットのほうから歩いてきたとこ。
ちーちゃんは、なぜか、もう縁台のそばにいた。
両手をぶらんとさせて、立ってた。
五人で、縁台にならんで座ってみた。
木がひんやりしてて、
おしりから、秋がしみてきた。
だれも、なんにも言わなかった。
でも、水曜の練習のときの「しーん」とは、
ちょっと、ちがう感じだった。
夜ごはんは、炊き込みご飯! きのこがいっぱい。
おこげのとこ、葵がもらった!
土曜は、あの縁台で、お茶を飲む。