便箋4枚
4枚。
お母さんへの返事が、便箋4枚になった。
手紙をもらってから、
ずっと、一行も書けなかったのに。
きょうの午後は、やり投を14投。
距離は測らない日。
雲がひとつもなくて、
投げたやりが、空のまんなかまで飛んでった。
夜ごはんは、オムライス!
食べながら、まこるんが、
図書塔で調べたハロウィンの話をしてくれた。
秋の終わりに、しんじゃった人が帰ってくる夜なんだって。
火をたいて迎えて、
悪いのには食べものをあげて、帰ってもらうの。
そしたら、ちーちゃんの背中が、すって伸びた。
「……お盆、ですねぇ」
そこから、ちーちゃんの
「ていねいな合言葉」づくりが始まった。
ドアの前でおどすのは、だめなんだって。
できたのを言う係は、葵。
「おかしを、くださらないと、いたず……ぷふっ」
1回目、だめ。
2回目は「くださらないと」で、だめ。
3回目は、さいしょの「おかしを」で、もう、だめ。
リンリンが「脅しになってない!」って怒るから、
それでまた笑っちゃった。
部屋に戻っても、まだお腹がくすぐったくて、
そのまま机にすわったら、書けたの。
島のこと。みんなのこと。ごはんのこと。
書いてたら、4枚。
おねがいは、最後の一行だけ。
ハロウィンをやるから、お菓子を送って、って。
あしたの朝、船の郵便に出す。
封筒の口は、もう、のりでしっかり閉じた。