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← 七瀬 葵 の日記

三回目

「おかわり、おねがいしまぁす!」

って言ったの、きょう、これで三回目。

夜ごはんは、シチュー。白い、クリームのやつ。
ロールパンをちぎって、お皿のふちをぬぐうみたいにして食べた。うまっ!

食堂のおばちゃんによそってもらって、席にもどったら、
なんか、みんながこっち見てた。

まこるんが眼鏡を直して、「……ふぅ」って。

ちーちゃんは、ちょっと笑ってた。前髪の下で。

なんでだろ。
三回目、多かったかな。

そういえば、きょうの夜ごはん、みんな静かだった。
雨だったね、とか、何本泳いだ、とか。
話がそこで終わっちゃって、スプーンの音ばっかり。

三十一日の話は、誰もしないの。
中身は内緒の約束だから、しかたないけど。

午後は、砲丸を10投。
距離は測らない日。
葵、投げるのは筋力が足りないの、知ってる。
だから、フォームだけ、ていねいに。
小雨で、砲丸がつめたかった。

投げながら、ちょっとだけ、考えちゃった。

もし、お母さんの返事が、あしたの船に乗ってなかったら。

……やめた。

考えるの、やめた。
砲丸、重いし。

ベッドに入る前にお腹をさわったら、まだ、シチューのぬくもり。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

三回目

この日の日記より

夜ごはんのシチューで「おかわり、おねがいしまぁす!」がこの日三回目。席にもどったらみんながこっちを見ていて、葵は三回目が多かったかなと思っている。その前の食卓は、雨だったね、何本泳いだ、で話が終わって、スプーンの音ばっかりだった。

ルナの日記では、そのおかわりで少し音が戻った、と書いてある。

考えるの、やめた

この日の日記より

午後は砲丸を10投、距離は測らない日で、フォームだけていねいに。投げながら、お母さんの返事があしたの船に乗ってなかったら、と少しだけ考えて、やめた。やめた理由は「砲丸、重いし」。

前日は「お母さんの字、あさって、来るかな?」で終わっていた。

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