ASTRAEA ASTRAEA Academy
← 澪川 真琴 の日記

島の中にある物

頼む日は、きのうで終わりました。

分かっていることを、もう一度書くのは、
私の悪い癖かもしれません。

屋内で50mを18本。
小雨で、プールの天窓がずっと鳴っていました。

夜、週割りの裏の表を開きました。

いちばん下の行、澪川。
「渡すもの」の欄に、「未定」。
期限の欄は、空いています。

閉じました。

それから、少しだけ考えました。

本土から取り寄せられないなら、
島の中にある物で、何かを。

売店で買える物。
部屋の引き出しにある物。
私が自分で作れる物。

一つ目を数えようとして、指が止まりました。

何を渡せばいいのかを考える前に、
四人が何を受け取りたいのかを、私は一つも知りません。

聞けば、分かります。
でも、聞かない約束です。

夕食は、クリームシチューとロールパン。
話が天気と練習のことで止まって、
ずいぶん静かな食卓でした。

それを割ったのは、葵の三回目のおかわりです。
千鶴が、小さく息で笑いました。
私も、たぶん——

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

島の中にある物

この日の日記より

頼む日はきのうで終わり、表の「未定」の横の期限の欄は空いたまま。本土から取り寄せられないなら、売店で買える物、引き出しにある物、自分で作れる物から何かを、と考えた。一つ目を数えようとして指が止まった。何を渡すかの前に、四人が何を受け取りたいのかを一つも知らない。

聞けば分かる。でも、聞かない約束だ。

私も、たぶん

この日の日記と、三人の日記から

静かな食卓を割ったのは葵の三回目のおかわりで、千鶴が小さく息で笑った。真琴の日記は「私も、たぶん——」で切れている。その先は、葵の日記では眼鏡を直して「……ふぅ」、千鶴の日記では眼鏡がちょっとずれ、ルナの日記では澪川が眼鏡を直した、として残っている。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 トップへ 学園公式サイトへ