わけるだけ
10袋あった芋けんぴが、いま、4袋。
数えてみる。
木曜に、葵が1袋食べた。
きょう、戸口で、4袋。
ルナっぴのポケットに、1袋。
10ひく1ひく4ひく1で、4。合ってる。
午前は、800mを2本。
小雨で、トラックがしっとりしてた。
2本目のラスト、脚がふわってなった。
夜ごはんはミートローフ。
そのあとラウンジに移ったら、職員さんたちの飾りがあった。
窓に、オレンジの紙のかぼちゃが、いっぱい。
八時。
ラウンジでじゃんけんして、回る順番を決めた。
まこるん、ちーちゃん、葵、リンリン、ルナっぴ。
葵は、風呂敷を首に結んで、マントにした。
きのう鏡の前でやった、あの、ちょうちょ。
まこるんの戸口。
四人で声をそろえて、ちーちゃんの口上。
まこるんがくれたのは、白い紙だった。
線がまっすぐ引いてあって、いちばん上に「葵」。
中はからっぽ。
なんか、書きたくなって、まこるんのペンを借りて、その場で書いた。
「まこるんと、浜」
で、まこるんに返した。いつ、とは書かなかった。いつでもいいから。
ちーちゃんの戸口。
ちーちゃん、手ぬぐいでほっかむりしてた。
くれたのは、手ぬぐいの、ちっちゃいお手玉。
にぎったら、しゃりってした。小豆だ! あんこじゃなかった!
葵の番。
戸を開けて、4袋、一つずつ。
「お母さんの。葵は、わけるだけ!」
言ってから、あ、これだ、って思った。
木曜からずっと分からなかったやつ。
作ったのはお母さん。わけるのが、葵。それでいいんだ。
リンリンの戸口。
黒いとんがり帽子のリンリンが、ドアを内側から開けて、
ローズマリーの束をくれた。いいにおい!
部屋には、入れてくれなかった。
最後、ルナっぴ。
ドアの前の床に、白い灯りが一つ、置いてあった。
渡すものは、ない、って。
だから、いたずらの番。
葵は、芋けんぴを1袋、ルナっぴのポケットに入れた。
いたずら! おやつのいたずら!
ちーちゃんは、自分のほっかむりをほどいて、ルナっぴの頭に巻いてた。
ルナっぴ、外さなかった。
おしまいは、九時半すぎ。
かぼちゃのプリン、おいしかったなぁ。
カラメルのとこ、ちょっと苦くて、それがまた、うまっ!