廊下
16周。
曇り。路面は一日、同じ温度だった。
きょうは、9周目と10周目を確かめないで走った。
確かめなくても、出口は同じ場所にあった。
夕方、寮の廊下で、夕凪とすれ違った。
向こうから来た。
いつもより、背中が丸かった。
手ぬぐいのことは、言わなかった。
夕凪も、言わなかった。
すれ違うとき、夕凪の肩が、少しだけ壁のほうへ寄った。
オレは、寄らなかった。
廊下は、二人ぶんの幅がある。
物干しのことを、夕凪は知っているかもしれない。
知らないかもしれない。
聞けば分かる。
聞かなかった。
部屋の戸を開けたら、椅子の背が見えて、