2回、動いた
木曜。
朝、位置のしるしの隣に、水面が耳に触れる直前の1秒、と、水色に近い薄い青、で下書きを1行足した。手が、私の言葉の側に、動いた。
昼、御影さんに、失敗した1本の後の欄、を写させてほしい、と頼まれた。御影さんの3本の中に、失敗、って構造がまだ無い、と初めて聞いた。写して、いい、と受けた。私の書き方の並びが、御影さんの側の空白を、初めて埋める形になる。
授業中、蜂の音。……っ、と、心にブレーキがかかりかけた。安全確認、って正論に、すり替わりそうになったのを、鉛筆の位置に戻す、で、逃した。父の口ぶりを浮かべる前に、身体で処理できた、小さな出来事。
午後、200IM×3本。ベスト更新の1回、狙って、届いた。プールサイド、水色に近い薄い青で、耳の後ろの音、を書き足す手つきが、朝の下書きの続きで、もう一度、動いた。
位置のしるしの周りに、私の書き付けの並びが、少し、隙間を作った。拡がる、って書くには、まだ、早い。