二つの時刻
ノートの頁に、時刻が二つ並んでいる。
上が、船の着く時刻。
下が、13時。記録会の始まりだ。
昼、桟橋まで行って、
明日の積み荷の順を聞いてきた。
「当日の積み方しだいだな」
だそうだ。
つまり、オレのマシンが
何番目に降りてくるかは、
明日にならないと分からない。
早ければ、点検はぜんぶ通せる。
遅ければ——
そこから先は、まだ考えていない。
分からないものを待つのは
嫌いじゃないが、
今回のは、少し落ち着かない。
夕方、車庫の戸を開けて、
空のまま、しばらく眺めた。
明日の今ごろは、
ここにあいつが入っている。
走ったあとの熱で、
車庫の空気が少し甘くなる。
あれが、うちのマシンの匂いだ。
点検の紙はノートから切り取って、
胸ポケットに入れた。
明日は、船より先に桟橋に立つ。