ASTRAEA ASTRAEA Academy
← ルナ・御影・ヴィスコンティ の日記

二つの時刻

ノートの頁に、時刻が二つ並んでいる。

上が、船の着く時刻。
下が、13時。記録会の始まりだ。

昼、桟橋まで行って、
明日の積み荷の順を聞いてきた。

「当日の積み方しだいだな」

だそうだ。

つまり、オレのマシンが
何番目に降りてくるかは、
明日にならないと分からない。

早ければ、点検はぜんぶ通せる。

遅ければ——

そこから先は、まだ考えていない。

分からないものを待つのは
嫌いじゃないが、
今回のは、少し落ち着かない。

夕方、車庫の戸を開けて、
空のまま、しばらく眺めた。

明日の今ごろは、
ここにあいつが入っている。

走ったあとの熱で、
車庫の空気が少し甘くなる。

あれが、うちのマシンの匂いだ。

点検の紙はノートから切り取って、
胸ポケットに入れた。

明日は、船より先に桟橋に立つ。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 公式サイトへ