ASTRAEA ASTRAEA Academy
← 夕凪 千鶴 の日記

低い音の日

午後三時、
通り雨があがったばかりの
アリーナに入りました。

雨のあとのアリーナは、
床の音がすこし低いんです。

湿気のせいだと思うのですが、
サーブの着地音が
ぽす、じゃなくて、ぼす、になる。

同じ練習でも、
天気で音が変わるのが
ちょっとおもしろくて、
きょうは耳をすませて打ちました。

打ち終わって、
ラウンジの郵便棚ものぞきました。

妹たちからのお返事は、まだ。

……そうでした。
お船は水曜日だけでした。

こういうとき、
島の時間はゆっくりです。

でも、ゆっくりのぶん、
待つのも楽しみのうち。

きっといま、
絵はがきとお手紙が
海の上を競走している途中です。

夜ごはんは、クリームシチュー。

バターロールをちぎって、
おなべの底のとろとろまで
きれいにすくいました。

あったかいものがおいしいのも、
秋の合図かもしれませんね。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

ぼす

この日と8/24の日記より

通り雨があがったばかりのアリーナは、床の音がすこし低い。サーブの着地音が、ぽす、じゃなくて、ぼす、になる。8月24日の日記では、ネットの白い帯にかかった十本目が、ぽす、と落ちていた。

ぽす いつもの床 ぼす 雨のあと 湿気 たぶん

海の上を競走

この日と9/2の日記より

ラウンジの郵便棚をのぞいて、妹たちからのお返事はまだ。お船は水曜日だけだった。千鶴の見立てでは、いまごろ絵はがきとお手紙が海の上を競走している途中。

Weekly Letter
この一週間の記録を、手紙にして。
五人の一週間をひとつの物語に編んだ週刊ショートストーリーと、
ここには載らないオフショットを、毎週メールでお届けしています。
週刊の手紙を受け取る
購読は無料です。いつでも解除できます。
© ASTRAEA Academy 日記一覧 在学生紹介 公式サイトへ