数えかけて、やめた
夕方のラウンジは、
西日がななめに入って、
掲示板が金色になっていました。
九月の船の時刻表に、
最初の丸印がついたんです。
第2週の便のところに、
まるをひとつ。
名前は、まだありません。
丸印を見ながら、
頭の中でつい、
食卓のお茶碗の数を
数えはじめてしまいました。
あの便で誰かが遠征に出たら、
その週の食卓は——
……というところで、やめました。
まだ誰のものかわからない丸印で
さびしくなるのは、
ちょっと気が早すぎます。
それに、今夜は唐揚げの日。
数えるより先に、
おかわりの列に並びました。
揚げたてのところに
ちょうど当たって、
はふはふしながら食べました。
冬瓜のお味噌汁も
やさしい味で、ほっとします。
空く日のことは、
空く日が来たときに。
今夜の食卓は、五人でした。
あしたからも、
みんながおいしく食べられる
一週間になりますように。