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← 久遠寺 凜 の日記

一番乗り

朝、起きたら
ふくらはぎがぱんぱんだった。

土曜の陸トレのぶん。
効いてる証拠なんだから、これは。

昼、ラウンジで叫んだ。

「は? 最初があたしじゃないなんて、
どういうことなの?」

九月の船の時刻表。
丸印がついているのは第2週の便で、
その下にルナの名前。

シーズンの一番乗りってわけ。

……分かってるわよ。
フィギュアの試合が本格化するのは冬。
あたしの番はもっと先なの。

分かってて叫んだんだから、
誰も気の毒がらないでほしいんだけど。

大きい声を出しているあいだは、
そのぶん、ほかのことを
言わなくて済むのよ。

午後はリンク。
三回転ループを7本跳んで、6本降りた。

降りられなかった1本は、
踏み切りの前によけいなことを
考えていたやつ。

氷は正直よね。
ほんと、いやになるくらい。

一番先に島を出るのが
偉いわけじゃない。
そんなこと、あたしがいちばん知ってる。

じゃあ、あたしはさっき、
なにに向かって叫んでたわけ?

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

一番乗り

この日の日記より

昼のラウンジで凜は叫んだ。最初があたしじゃないなんてどういうことなの、と。フィギュアの試合が本格化するのは冬で、自分の番がもっと先なのは分かっていて叫んだ。

ほかのことを

この日と8/24・9/1の日記より

大きい声を出しているあいだは、そのぶんほかのことを言わなくて済む、と凜は自分で書いている。午後の三回転ループで降りられなかった1本は、踏み切りの前によけいなことを考えていたやつ。なにに向かって叫んでいたのかは、最後の一行で凜自身が聞いている。

8/8 8/24 5/6 9/1 6/7 9/7 三回転ループ(降りた/跳んだ)
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