整氷を待つ十五分
待ち時間って、
実はけっこう好きなのよ。
整氷車がリンクを回っているあいだ、
あたしは壁にもたれて何もしない。
十五分。
ふだんなら、ストレッチをしながら
次の構成を頭でなぞるんだけど、
きょうは扉が開けっぱなしだった。
外の音が入ってきたの。
遠くで、エンジンが唸ってた。
これまでずっと、
あれは雑音だと思ってた。
でも、きょうは違って聞こえた。
同じかたちの音が、何度も来るのよ。
まるで練習みたいに。
そりゃそうよね。
あれ、練習なんだから。
あたしがリンクでやってることを、
あっちでもやってるってだけの話。
……別に、感心なんてしてないから。
整氷が終わって、扉が閉まった。
戻って、曲かけを一本。
氷はつるつるで、最高だった。
それだけ。