五組そろえる
渡すものが無いのなら、
使うものを用意すればいい。
ゆうべ布団の中で、
そう思いつきました。
明日は、ルナちゃんの荷物を
みんなで桟橋まで運ぶ日です。
車体は重いはずです。
タイヤも、たぶん見た目より重い。
素手だと、手のひらが痛みます。
アリーナのサーブ練のあと、
寮の物置をひっくり返しました。
奥から出てきたのは、
片方だけの軍手が四枚。
もう少し探して、ちゃんとした組が三組。
足りません。
事務室でおそるおそる相談したら、
新しいのを二組いただけました。
これで五組です。
洗って、乾かして、
物置の棚に大きさの順で並べました。
並べ終わってから、
整いすぎている気がして、
少し照れくさくなりました。
明日、たぶん誰も気づきません。
軍手は、あればあるで
自然に手に取られていくものですから。
……気づかれないほうが、
わたしはいいのでしょうか?