いつ見られるの
朝のアリーナは、
天窓から入る光が斜めで、
床に細長い四角がいくつも並びます。
その上を歩いて、
きょうもボールかごを引いてきました。
ゆうべ読んだ手紙のことを、
ずっと考えていました。
三通のうち、下の妹のがいちばん短くて、
いちばん困りました。
「おねえちゃんの試合、いつ見られるの」
その一行だけが鉛筆の字でした。
ほかは全部ボールペンなのに。
途中で書き直したのだと思います。
島には、対戦相手がいません。
試合は本土へ渡らないとありません。
渡る日は、まだ決まっていません。
そういう説明は、
たぶん答えになりません。
あの子が聞いているのは、
日付のことではないからです。
わたしがなぜ続けているのか、
その理由のいちばん端に
まっすぐ刺さっています。
家のためだと言えば、簡単でした。
いまはもう、それだけではない気がして、
そこから先が言葉になりません。
きょうのサーブは、数えていません。
数えられなかった、というほうが
近いかもしれません。
夜はロールキャベツ。
おいしくいただきました。
返事は、まだ書けません。