六日ぶりの浮遊
ふわ、っていう
あの浮く瞬間の感じ。
六日ぶりだった。
きょうは三回転ループを、
一本だけ。
降りた。
膝も、着氷の音も、文句なし。
……で、ここからが大変だったの。
一本降りると、脚が
「次」って言い出すのよ。
言い出した脚に、
あしたのぶんまで、使わないの、って
言い聞かせて、リンクを上がった。
六日空けたのは、わざとよ。
跳べなくて悔しがってる脚より、
跳びたくてうずうずしてる脚のほうが、
本番には効くんだから。
降りたあと、
いつもの質問を自分にしてみた。
こわかった?
……ノーコメント。
あしたは、聞かないかもしれない。
聞くひまも、ないだろうし。
夕食は、鮭ととろろご飯。
前の日の夜って、
食堂まで味方してくれるみたいな
献立になるのね。
とろろ、するっと入って、いい前夜。