配給係
こと、こと、って、
お皿の上でお団子を
移す音がしました。
移していたのは、わたしです。
今夜は十五夜で、
テラスで月見がありました。
お団子を人数で割る係に、
なぜかわたしが任命されて。
十五個を、五人で三つずつ。
割り算はかんたんなのに、
テラスの電球が切れていて、
月あかりしかなくて、
数えまちがえないように、
お皿にぐっと顔を寄せて、
一つずつ配りました。
三つずつ、五皿。
ぴったり配り終わったときは、
サーブが決まったときと
ちょっと似た気持ちになりました。
配りながら、
思い出していたことがあります。
実家の縁側でも、
祖母とお団子を数えました。
あのときは配る係じゃなくて、
数える係で、
祖母がとなりで——
この話、書き出すと
長くなりそうなので、
今夜はやめておきます。
でも、縁側の月も、
こんなふうに黄色くて……