数えない月曜日
十四時。
アリーナの高い窓から入る光が、
床のまんなかあたりまで
まっすぐ伸びていました。
きょうは快晴で、サーブは四十六本。
トスを上げると、ボールが一度
光のなかを通って、
白く消えて、また出てきます。
打つ前にそれを待つのが、
きょうは、すこし楽しかったです。
夕食は、豚の生姜焼きでした。
葵ちゃんが、発表会の候補を
「食べる」しか書けていないと話していて、
そのあと、ルナちゃんに
競技以外のことを聞いていました。
ルナちゃんは答えないで、
食べ終わると、すぐに行ってしまいました。
葵ちゃんが、すこし心配そうな顔をしたので、
「いつもの、ルナちゃんだと思います……」
と言いました。
言えたのは、それだけです。
部屋にもどると、
枕元に、郷土料理の本があります。
借りてから、まだ閉じたまま。
妹たちの返事が来るとしたら、
水曜日の船です。
あと何日、と数えそうになって、
やめました。
数えると、そのぶん
長くなる気がするので。
本の角を指でそっと押して、
枕から、すこしだけ離しました。
あしたは、火曜日です。
水曜日のひとつ前、とは、
考えないことにします。