空いたところ
二日目。
数えないで跳ぶようになって、二日目。
放課後のリンクで、
頭の中の「いち、に」は、きのうより小さくなった。
小さくなったぶん、
なんか、落ち着かない。
着氷して、次の助走に入るまでの、
あの、ちょっとの間。
いつもなら、そこに数字が入ってた。
「八本中、六本」とか。
いまは、そこが空いてる。
空いてると、手持ちぶさたなのよ。
夕食で、葵が「今日、二回鳴った」って白状してた。
真琴は時刻を決めろって言うし、
千鶴は湯呑みの持ち方を教えてるし、
ルナは鳴ったらいいとか言ってるし。
だから、言ってやった。
「お腹の音くらいで揺らぐのは二流よ」
葵は「にりゅう……」って、
ナプキンに書いてた。
書かなくていいのよ、そんなの。
……あたしのほうは、
着氷のあとの空いたとこで、
ちょっとだけ揺らいでる。
言わないけど。