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← 澪川 真琴 の日記

項目のない欄

「まこるん、鳴らなかった!」

お昼の鐘のすぐあと、
葵が、両手を握ってそう言いに来ました。

十時二十分のバナナ。表のとおりです。

表が効いたのか、たまたまなのかは、
一日だけでは分かりません。

それでも葵は、
大会から帰ってきた日のような顔をしていました。

午後のプールは、50mを20本。

夜、週割りの頁を開きました。

土曜の欄に、「15:00 中庭」と書きました。

その下に、準備の項目を書こうとして、
ペンが止まりました。

持っていくもの。
湯呑みもお茶も、職員の方が用意してくださいます。

私の役目。
司会も挨拶もない会です。

始まる合図。
……これも、ありません。

書くことが、一つもありませんでした。

項目のない予定を週割りに書いたのは、
たぶん、はじめてです。

しばらく、その一行を見ていました。

足りないものがあるような気がして、
何度か頁を戻ったり、進めたりしました。

でも、足りないものは、見つかりませんでした。

土曜の欄は、これで完成です。

Reading Notes 読み解き この日までの日記から

項目のない予定

この日の日記より

週割りの土曜の欄に「15:00 中庭」と書いて、その下に準備の項目を書こうとしてペンが止まった。持っていくものは職員の方が用意するし、司会も挨拶もない会だから役目も無く、始まる合図も無い。書くことが一つもない予定を週割りに書いたのはたぶんはじめてで、真琴はそのまま、土曜の欄は完成と書いた。

一日だけでは

この日の真琴と葵の日記から

お昼の鐘のすぐあと、葵が両手を握って、鳴らなかったと言いに来た。十時二十分のバナナは表のとおりで、表が効いたのか、たまたまなのかは一日だけでは分からない。それでも葵は、大会から帰ってきた日のような顔をしていた。

夕食で葵がその話をしたとき、真琴がすこしだけ眼鏡をなおしていたと千鶴は書いている。

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